漁に訪れていたマディラ沖でのとある夜。
甲板で魚肉を捌いていた船員のジョニーが、ふとそんなことを呟いた。
カ:「ほんと、きれいですね……」
と、一緒に作業していた委員長ことカルディナも、一旦手を休めて空を見上げた。
そうだねー、と応えて、ふとあることを思い付く。
ジ:「どうしたんでやすか船長?」
ちょっといいものもってくるー、とだけ言い残すと船長室に駆け込み、ある物を抱えて甲板へと戻った。
カ:「おかえりなさい、船長」
ジ:「いいものってなんでやすか?」
ふふふ、こーれーだー。
ジ:「何なんでやすか船長、そのヘンテコな筒は」
カ:「望遠鏡みたいですけど……何か少し感じが違いますね」
委員長するどーい、ジョニーのあほー。
ジ:「ひ、ひどいですぜ船長……」
これはニュートン式反射望遠鏡って言って、アイザック・ニュートンっていうイングランドの科学者が作った天体望遠鏡なのだー。
ジ:「変態望遠鏡、でやすか?」
つまり空の彼方にある星を観察するための望遠鏡で、普通の望遠鏡よりずもももーっと遠くまで見ることが出来るのだっ。
ジ:「華麗にスルーしやしたね……」
カ:「でも普通、望遠鏡って言えばガリレオ・ガリレイ先生も使っていらっしゃるガリレオ式望遠鏡ですよね。
こんな形の望遠鏡は私も初めて見ますけど……」
うん、ガリレオさんの望遠鏡は2枚のレンズを組み合わせた屈折望遠鏡って言う種類のものなんだけど、
この反射望遠鏡は、レンズの代わりに反射鏡を使っていて、その中でもこのニュートン式は、比較的造り易くてお手軽みたいだねー。
そんなわけで、少し詳しい原理はこの資料を見てみるといいよっ。
ジ:「ほうほう、よくわからないでやすが、望遠鏡にもいろんな種類があるんでやすねぇ」
でそでそ。ジョニーためしにコレ覗いてみてみてみー。
ジ:「……む、お?…ありゃ?」
カ:「斜め鏡の調節が結構難しそうですね」
ジ:「だーっ、こんなチマチマまどろっこしい物使ってられないでやすよ!
やっぱり星は空一杯に広がったのをビール片手に眺めるのが最高でやす」
あははー、ジョニーはやっぱりジョニーかー。
カ:「でも、ジョニーさんの言いたい事も何となくわかりますわ。
こんなにきれいな満天の星空、切り取らずに全部楽しむ方が私も気持ちいいですから」
んーそっか、それもそだねぇ……。
望遠鏡で遠くの星に想いをはせるのもいいけど、今はこの星空を楽しもっかな。
カ:「……ところで船長」
ん、どったの委員長?
カ:「さきほどの資料にあった、この反射望遠鏡の開発年なのですが」
?!
こここっこのゲームに生真面目な時代考証求めちゃだめだよ委員長っ!!!
カ:「いいえ船長が不真面目なだけでしょう?
そもそもどうやってこんな未来の発明物を手に入れたのか説明してもらいましょうか?」
う、そ、そそそれわ~……
ジ:「きっとド●えもんの仕業でやぐぶぇあがゎっ!!!」
委員長、何も解体前のマグロで殴らなくても……。
ジ:「ほ、星が……回ってるでや、す…」
バタっ。〓■●_
※ガリレオ・ガリレイ 1564年生 - 1642年没
アイザック・ニュートン 1643年生 - 1727年没
ゲーム中でガリレオは生きてますww
ちなみに写真のニュートン式望遠鏡はコレ。
それにしても良かったねジョニー、
●ョン●ィーの仕業なんて言ってたら命無かったよ……と心の中で呟くのであった。