超個人的新着RSSリーダー

  • JavaScriptをONにすると、RSSリーダーが表示されます。


     

記事一覧

うたいしこと。(44) :第4章-2

 ・プロローグはこちら

 ・第1章-1話はこちら

 ・第2章-1話はこちら

 ・第3章-1話はこちら

 ・第4章-1話はこちら


 続き



■第4章:最後のありがとう ―― 第2話


    ***


「ふふ……」

「ほよ? どーしたんですか部長っ? いきなり笑っていいともとかですかっ?」

「ん? いやなに。昨日、ライブを決めた時の陣内の慌てぶりを思い出してつい、な」

「昨日……あわっ!? あぁぁ~……うぅぅ、ゆい、またやっちゃったんだぁ……」

「何だ、どうした神原? 急に頭を抱えて」

「あっ、えっと、そのぅ……なんてゆーか……ゆい、またたっくんに勢いで迷惑かけちゃった、って……はぅぅ」

「……はははっ、気に病むことはないさ神原。私の見たところ、陣内とて本気で迷惑がってなどいないと思うがな」

「そう……ですかぁ……?」

「ああ、いずれにせよ要は杞憂、取り越し苦労だとと思っておいたほうが、何より神原自身のためにもいい」

「うぅ……それは、そう、ですよねー……」

「しかし、だ。また、とはどういうことだ?」

「あぅ、えとその、だいぶ昔にゆいが強引にボランティアに誘っちゃって、たっくんすっごく嫌がったことがあったんです……。たっくん優しいから、ゆいに気を使って口では何にも言わなかったですけど、顔とか見てれば……わかりますから……」

「ふむ。なるほどな。しかしもう過ぎた事なのだろう? 過去の陣内がそうであっても、今の陣内とまるで同じであるはずがあるまい」

「……部長のいう通りかもしれませんけどぉ……それでもたっくん、面倒臭がってるのは確かだと思うんです……ギターだって、別に弾くのが好きってわけじゃないですし……」

「……それこそ、心配無用だと思うがな、私は」

「ほえ?」

「以前はどうだったか知らんが、今の陣内は恐らく、いや間違いなく、誰かの喜びのために力を尽くすことの喜びに目覚めつつある」

「うぅ……そうなら、いいんですけど……」

「神原。幼馴染というくらいなら、信じてやるといい。私は賭けてもいいぞ」

「部長……?」

「元々陣内には、こうと決めたらとことん挑み続けるだけの気概がある。それこそ、たった独りでも、誰にも認められずとも……大した奴だよ」

「……」

「そして……口ではどう言おうとも、今の陣内はちゃんと、目的のために課された努力を尽くしてくる。誰かの喜びと、笑顔の呼び水となるという目的の、な。私の知る今の陣内は、そういう奴だ」

「……部長は……」

「……ん?」

「部長は、たっくんのことをよく見てるんですね……」

「ん……それはほんの少しばかり違うな」

「ほえ?」

「私は、このうたいしえあ部にいてくれている部員として、彼を信じている。あるいは……多少数奇な巡り合いを果たさせてくれた、この縁というものをな」

「それって、どういう……」

「ん……まあ、そう深い意味ではないさ。もっとも、観察していないというわけでもないしな。まがりなりにも部長たるもの、部員の機微に聡くなくてはならんのも確かだ」

「本当に、それだけなのかな……」

「ん? 何か言ったか?」

「あ、いえいえっ、なにもにもふぁいてぃんぐにもっ!」

「……? あの映画はそんな題名だったか? 何か違う気がするが……」


(部長……きっと知ってるんだ。昔のたっくんを……多分、逆上がりの時の……)




 ...To be Continued...

 →■Click to Go to Next.

  • この記事のURL

  •  
                       

コメント一覧

コメント投稿

投稿フォーム
名前
Eメール
URL
コメント
削除キー
投稿キー
投稿キーには「fuzzy」と入力してください。(スパム対策。)