・オリジナル小説 『うたいしこと。』
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・『ストーリー・オブ・ウォーターフィールドサウスノース(水野南北物語)』
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常に曖昧に。
よく、満たされない思い、欠乏感や欠落感をたとえて、
「心の隙間」
なんて言われるけれど、
心に隙間なんてない。
もちろんただの比喩ってわかってる。
それでも隙間なんてない。
実際は全く逆で、
隙間どころか、思い込みという余計な荷物を抱えすぎているだけ。
隙間どころか、ぎゅうぎゅう詰めで窒息しそうになっているだけ。
でも、自分でこしらえたその荷物に気付けていないから、それは空気のようなものだと思ってる。
だから、見えない。
見えないから、隙間だと思ってしまう。
膨らませた風船の内側は、隙間じゃないのと同じように。
それを隙間と勘違いして、足りないと思って更にどんどん詰め込めば、
いずれ風船は破裂する。
だから、緩めていい。
固く縛っていた風船の口を緩めて、自分を張り詰めさせていた空気を抜いちゃっていい。
荷物は手放しちゃっていい。
それじゃあ自分が萎んじゃう、そう不安になるかもしれない。
もちろん、荷物を持っていたければ持ってていい。
それが望みなら、誰もその自由を侵したりできないから。
でも、空気が抜けていった先、今まで自分だと思っていた風船、その外側と繋がったとき、
「本当の」隙間を知ったとき、空虚どころか無限の安らぎを、知ることができるよ。