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スキマスナッチ

 よく、満たされない思い、欠乏感や欠落感をたとえて、

 「心の隙間」

 なんて言われるけれど、


 心に隙間なんてない。

 もちろんただの比喩ってわかってる。

 それでも隙間なんてない。


 実際は全く逆で、

 隙間どころか、思い込みという余計な荷物を抱えすぎているだけ。

 隙間どころか、ぎゅうぎゅう詰めで窒息しそうになっているだけ。

 でも、自分でこしらえたその荷物に気付けていないから、それは空気のようなものだと思ってる。

 だから、見えない。

 見えないから、隙間だと思ってしまう。

 膨らませた風船の内側は、隙間じゃないのと同じように。

 それを隙間と勘違いして、足りないと思って更にどんどん詰め込めば、

 いずれ風船は破裂する。


 だから、緩めていい。

 固く縛っていた風船の口を緩めて、自分を張り詰めさせていた空気を抜いちゃっていい。

 荷物は手放しちゃっていい。


 それじゃあ自分が萎んじゃう、そう不安になるかもしれない。

 もちろん、荷物を持っていたければ持ってていい。

 それが望みなら、誰もその自由を侵したりできないから。


 でも、空気が抜けていった先、今まで自分だと思っていた風船、その外側と繋がったとき、

「本当の」隙間を知ったとき、空虚どころか無限の安らぎを、知ることができるよ。

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